ラクダの群 |
山を降りていく途中、落ちていた恐竜のたまご化石を拾って、それでオボーをつくった。化石を持って帰っても、国外へ持ち出すことはできないし、私たちは化石を取りにここまで来たのではなく、恐竜の化石を見にきたにすぎない。 車に乗って、またアドベンチャーをくり返し、午後3時過ぎに、トールさんのゲルに戻った。ゲルのまわりには、ラクダの大群が帰ってきていて、たむろしていた。200頭以上はいるだろうか。南ゴビでは羊よりも、ラクダが家畜として放牧されている。 女たちが馬の乳をしぼっている。それぞれの子馬を母馬の近くに寄せて、子馬がまるで乳を飲んでいるかのように母馬に思わせて乳をしぼる。 ゲルでは、昼食をごちそうになり、例のごとく私は写真屋さんになり、家族の写真をプレゼントした。みんなデールを着て正装して、ちいさな女の子は頭にピンクの飾りをつけ、総勢30人の大家族が全員集合。次はみんな馬に乗って並んで集合写真と大変。 井上くんはケン玉でまた人気をとった。みんな集まってきて、ケン玉に挑戦して、楽しい時間をすごした。ここにもたくさんの若者がいる。日本の農村とはちがって、ゴビにはたくさんの若者がいた。そして、ここには家族があった。 トールさんやお父さんに再会を約束して別れ、ソガラ氏のお母さんの用意してくれたゲルに戻った。 戻る途中に、ザクのはえるゴビで一休みした。そこで、ソガラ氏が私にザクについて教えてくれた。 ザクはもともと背の高い木なのだが、ゴビでは水がないため、背が高くならず地をはうような低木のままである。ザクの葉には油脂を多くふくまれていて、ザクはラクダのよい餌になるという。 |