赤い山へ |
午前10時に朝食をとり、家族の写真も撮り、11時前にようやく赤い砂岩の山、アウグウラン・ツァフへ向けて出発した。ソガラ氏は私たちの赤いニバに乗りこみ、道案内をしてくれた。 アウグ・ウラン・ツァフは、北側に見えている山並みであるが、山地前面の麓がラクダのコブ状に激しいギャップになっていて、車で容易に近づくことができない。したがって、西側に迂回して、大きな谷筋にそって山の中に深く入り込むことにした。 北側に見える赤い山(ウランウラ)にそって、西側にゆるい坂をのぼる。赤い大地にはザクと呼ばれる背の低い木がはえている。大きな扇状地に出て、川の跡を何度か渡り、ゴビを西に進む。いい天気だ。前年よりも緑が濃い感じがする。 3頭のデュランが前を横切って、地平線に消えた。気温23度、湿度30パーセント。川の跡を上流側、すなわち北側にのぼる。深い砂に車輪がとられてスタックするが、なんとか脱出する。 正午ごろ、赤い山の麓にあるゲルに着いた。このゲルは、ソガラ氏の奥さんの家族のゲルで、前年の旅でも私はここを訪れたことがある。 ゲルに着くと、奥さんの弟のトーラさんはじめ、お父さんのジャミンさんも出てきて、私たちを迎えてくれた。ジャミンさんは再会した私にキスをしてくれた。そして、モンゴルの慣習にしたがって、ゲルの中に導かれ、シミンアルヒをいただいた。 ゲルの近くでは、若者たちが、勇壮に馬を追っていた。猛烈なスピードで逃げる馬を馬に乗って追い、オールガと呼ばれる長い竿をもって、その竿の先にある輪にしたロープを逃げる馬の首にひっかけて、馬を捕らえる。そして、自分の馬と捕まえた馬を自由にあやつる。それは、遊牧民のゲームのようで、若者たちは楽しんでいる。 前田くんが、馬に乗って現れた。矢崎さんはラクダに乗って現れた。やれやれ、みんな楽しんでいる。 |