モンゴルの恐竜 

 モンゴルは、北アメリカ、中国とならぶ世界的な恐竜化石産地のひとつである。モンゴルで発見される恐竜化石は、中生代の白亜紀、そのうち恐竜の絶滅する直前の白亜紀末期の地層から発見される化石が豊富である。モンゴルの白亜紀の地層からは発見された恐竜化石の種類は全部で48属と言われ、そのうち肉食恐竜は20属を数えて他の産地とくらべて多く、とくに他の産地ではあまり発見されない小型の肉食恐竜が豊富である。
サウロロフスとタルボサウルス
 大型の肉食恐竜であるタルボサウルス(最近では北アメリカから発見されるティラノザウルス属に含める研究者もいる)や大型の植物食恐竜のサウロロフス以外にも、映画「ジュラシック・パーク」で恐ろしさをアピールしたヴェラキラプトル(映画に登場したものは体が少し大きく誇張されていた)や「卵泥棒」というおめいを着せられたオヴィラプトル(従来プロトケラトプスのたまごとされていたものからオヴィラプトルの赤ちゃんの化石が出てきたことから、彼らはプロトケラトプスのたまごを盗んだのではないことが最近わかった)などがある。

 また、、巨大な体の竜脚類の恐竜やピナコサウルスなどヨロイ竜、イグアノドンや角竜の先祖と言われるプシッタコサウルス、それに赤ちゃんの化石も含めたくさんの個体が発見されているプロトケラトプスなど、代表的な恐竜をあげても以上のとおりである。

 さらに、モンゴルからはいろいろな卵の化石も豊富に産し、珍しいところでは恐竜の皮膚の化石もしばしば発見される。最近では、鳥とも恐竜ともつかないモノチスとよばれる化石もモンゴルの白亜紀の地層から発見され、話題になっている。

 モンゴルの白亜紀の地層からは恐竜化石ばかりでなく、小型の原始哺乳類の化石も発見されていて、アメリカ自然史博物館とモンゴル科学アカデミーの共同調査も行われている。恐竜以外のワニやトカゲ、カメなどの爬虫類の化石も発見されていて、とくにカメの化石は白亜紀のいろいろな地層から発見されている。

 この博物館の奥にある恐竜化石の展示室には、これら白亜紀の地層から発見された恐竜化石や新生代の哺乳類化石を含め、それ以外の地質時代から発見された数多くの化石が展示されている。その中でも、恐竜化石で言えば、いろいろな種類の恐竜のたまごや赤ちゃんの化石、プロトケラトプスの死んだままの姿の化石や、プロトケラトプスとヴェロキラプトルがかみ合ったままの姿で残っている化石などは、目が釘づけになること請け合いである。
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