ステファン・バーク水族館 |
スクリップス海洋研究所は、コロンビア大学のウッズホール海洋研究所と同様にアメリカの海洋研究のメッカであり、私にとっては学生のころからの憧れの地でもあった。 スクリップスはホテルからタクシーで20分ほどのところにあり、緑の山地が迫る美しい砂浜海岸だった。水族館は海岸に面する山地の中腹にあって、平屋の小じんまりとした建物だった。 サメの剥製やカルカロドンの顎がつるされたギャラリーに入ると、展示室は左右にわかれ、右はhall of Fishいわゆる水族館で、左は海洋科学関係の展示室になっていて、その外側に教育センターやブックショップなどがあった。その規模や水族館と博物館の機能があること、それに大学付属であることも、東海大学海洋科学博物館ととても似ている。以前に、姉妹館の話があったそうだが、実現しなかったことを残念に思う。 水族館は、北西海岸、カリフォルニア南部、メキシコ、熱帯の海といった区分に大小あわせて33の水槽があり、水槽だけでなく海況や生態についての解説パネルの展示が広く占めていた。海洋科学関係の展示室は、「青い惑星の調査」というスクリップス海洋研究所のテーマがまず示され、昔の海洋調査船の研究室、海洋調査の方法など、海洋研究の歴史や実際の展示があり、そのあとは海を構成する水と空気、大地と生物といった個別のテーマの展示があった。 ギャラリーの奥には、海に面したDiscovery stationsとよばれるテラス(プラザ)があり、そこには小さなタイダルプールがあった。その脇では、小さな水槽がおかれハンズオン的な解説も行われていた。このテラスには、望遠鏡が置かれホェールウォッチングもできるようである。 館内では、いろいろな教育活動が行われているようで、一生懸命にノートをとる大学生風の若者たちや、教育センターのクラスルームでもレクチャーなどが行われていた。また、Breaking News at Scrippsという印刷された壁新聞がところどころに貼ってあり、今海洋研究所でどのような研究を行っているかが、示されていた。 この水族館は、スクリップス海洋研究所の水族館であることから、海のことを一般の人に普及することはもちろん、むしろスクリップス海洋研究所がどのような海洋研究をしているのか、どのような研究成果が出ているのかを一般の人に知らせるというような明確な目的が示されていると感じた。 |
Back (サンディエゴ航空宇宙博物館) Next (ロサンゼルス)
アメリカ横断博物館見て歩きへ戻る
『Dino Museum』へ戻る
登録日:01/03/31