清水市尾羽でみられる露頭

最終更新日:2002年11月11日

東名高速の清水インターから上り線に入ると、すぐにこの露頭が左側に見えるので前から気になっていました。
ちょうど今、山を崩して造成して生花市場をつくっているところです。

ここは以前に調査した浜石岳層群の分布地域で露頭があまりなかったこともあり、
東上位(東側に新しい地層がある)の砂岩泥岩互層があると記載したところでしたが、
行ってみるとどうも西上位で褶曲などもみられる地質構造をしていました。

調査日:10月23日




尾羽付近の地形図と露頭の位置(赤の部分)



@西に急傾斜または垂直傾斜の砂岩または砂岩泥岩互層からなる地層が分布しています。
露頭の東側は砂岩泥岩互層で西側は粗粒な砂からなる砂層です。

 



A 垂直に切り立った砂岩泥岩互層がみられます。
地層のある部分が褶曲していたり、上の地層が下位の地層を削剥しているところも見られます。
この露頭は@の北側にあり、おそらく@の砂岩泥岩互層の部分が見られると思います。

 



B露頭の上または右(東)側は地層が水平で、下または左(西)側は
垂直に立っていて、地層が逆L字(または「く」の字)型になっています。
斜めに傾いた背斜褶曲の軸の部分がはっきりと見え、右側上には向斜軸も見えます。
黒く見えるのが泥岩層で白いのが砂岩層です。





【地層の説明】

浜石岳層群:浜石岳から興津川流域と芝川の西側山地に分布する中新世末〜鮮新世、
すなわち今から1000万年〜400万年前に海底に堆積した砂岩層を主体とする地層。
浜石岳と芝川の西側では礫岩層が厚く、他の地域では砂岩層と泥岩層、
砂岩泥岩互層が主体。火山砕屑岩もともなう。また規模のさまざまな褶曲をともなう。

褶曲:地層が波打って曲がった形になったている状態の。
背斜:褶曲した地層の高く山なり(背)になった形の部分。
向斜:背斜と反対に褶曲した地層の低くへこんで地層同士が向かいあう形の部分。



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登録年月日:2002年11月11日
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