遊牧民とゴビ(7月30日)

たまごの化石

恐竜のたまご  出発の時間になったが、横山くんは車のわきまできてまた吐いていた。絶対に行くという彼を車に乗せて、私たちはアウグ・ウラン・ツァフに向った。赤い山の麓にあるジャミヤンさんのゲルで、トーラさんを車に乗せて、目的地に向った。

 西に行って、川の跡を登り、尾根に出た。骨化石の長さ20cmほどの断片がある。まわりの赤い砂岩には骨化石の破片が散在していた。次のサイトへ車で向う。

 車から降りて、尾根に登り、尾根ぞいに赤い山の中央のオボーまで来た。そこから、一段下のテラスまで下るとたまごの化石があった。

 空がめちゃくちゃ青い。オトゴンさんがノースリーブで、サンダルばきという格好でついてくる。


ラクダのクシャミ

ラクダ乗り  午後4時に、Black Table Mountaintの北側にあるソガラさんのお母さんのゲルに着いた。

 ここではラクダに乗って遊ぶプログラムが用意されている。雨はすでにやんでいたが、少し前の嵐で集めていたラクダがみんな逃げてしまったらしい。

 ラクダを集める時間に、このすぐ近くにある白亜紀前期の湖成層とその上に重なる火山灰層や火山岩を見学した。

 ラクダが集められて、私たちはみんな乗って記念撮影。その時、1頭が
「ブルルン」
 とクシャミをした。

 身動きのできない私たちに、緑の唾液まじりの草汁が吹きかかった。


幸せなら手をたたこう

ファイヤーストーム  午後10時ころゲルの外が真っ暗になり、ハイラスの木のそばでファイヤー・ストームがはじまった。ソガラさんのお母さんのゲルからもみんな来て、花火大会に引き続いて、モンゴルの歌と日本の歌が夜空に響いた。

 モンゴルの歌には、若い歌声が加わり、彼らは胸をはって歌い、その声は闇に轟いた。

 私はソガラさんのお母さんに、ゴールデンバートル(女の子のような格好をしていた子供)の亡くなったお母さん(彼女の末娘)の写真を贈った。前回のファイヤー・ストームでは彼女もこの人の輪の中にいた。彼女は若くてとても美しかった。お母さんは末娘のことを思い出して、悲しい涙を流した。

 モンゴルと日本の「幸せなら手をたたこう」をみんなで歌って、会は盛り上がった。


「炎の崖」へ

「草原の国再び」へ