サソリとジャンケン(7月29日)

サソリ

サソリのいた崖  午後4時前、ランチを終えて出発した。草はたけも低くまばらになって、大地の赤い色が目立っている。

 ゴビである。ザクという低木のはえるゴビもところどころにある。私たちは南ゴビに来た。わだちの道を進み、白いカンブリアの石灰岩からなる山地に入り、そこをぬけて、またデプレッションに入った。

 乾燥したゴビである。固い地面で、車がガタガタという。前方に赤い山、アウグ・ウラン・ツァフが見える。砂地のゴビに入り、スタックしそうな砂の深い川の跡を渡る。

 ザクのはえるゴビを通り、赤い砂岩の崖で、車が止まる。崖の上には鷹の巣があり、ひなもいて、親の鷹が警戒していた。

 東矢さんが緑色の小さなサソリを発見した。よく見ると、岩の間やザクの間に、サソリが何匹もいた。


モンゴルジャンケン

 この夜は夕食にひきつづいて、私たちはモンゴルの遊牧民のお客をもてなす慣習である、アイガル(馬乳酒)とシミンアルヒの攻撃を受けることになる。主人は私たちにアイガルとシミンアルヒを休むことなく注いでまわる。そして、モンゴルジャンケンがはじまった。

 前回来たときに、私はモンゴルジャンケン大会で優勝したほど強かったが、今回は体の調子がイマイチで、ソガラ氏にもあっさり負けるし、奥さんとやっても負けてばかり。負けると飲まされるので、うまく逃げて観戦することにした。横山くんは少し勝って威勢がよくなり、さかんに「モ日友好」を実践している。

 白井さんも調子が乗ってきた。横山くんは、段々と負けがこんで、あびるようにシミンアルヒを飲まされていた。私はあわてて彼に忠告したが、すでに彼には聞こえてなかった。


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