草原の国(7月28日)

台風を連れてきた旅行者

 出発して、まもなく雨が強くなってきた。雨の中、泥でぬかるんだ道を進むのには意外と時間がかかった。車がぬかるみに入ると、まるで船のようにザザーと波しぶきをあげる。もちろんフロントウインドーも水がかかり、何も見えなくなる。室内側の窓ガラスは人息でくもり、ワイパーは水しぶきを飛ばしてせっかちに動く。大粒の雨が降ってくる。

「Japan Typhoon come to Mongolia!」
 トゥメンバイヤーが叫んだ。どうも私たちは台風9号をモンゴルまで連れてきたらしい。川のような濁流が道をふさいでいる。ここは渡るほかない。ザザーと濁流の中に入り、波しぶきを上げて渡る。アドベンチャー・ロードである。


予約テーブル

RESERVED TABLE

 午後2時すぎにイフ・ハイハンに着いた。

 先に行ったクッキング・カーのメンバーで大きなた花崗岩のテーブルでランチの準備がされている。今までの雨とうってかわって、ここには青空が広がっている。ここは希少金属鉱床をともなう花崗岩岩体が露出するところで、とても景色がいい。

「Researved Tableへどうぞ。」
と言って、トゥメンバイヤーがおどけてみんなをさそった。

 ランチはサンペルガバさんの自慢のスープが出た。が、めちゃくちゃ塩辛かった。しかし、それ以外はみんなの口にあうものだったらしい。私はひと安心した。

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