日本の博物館に組み立てて展示してある全身骨格の恐竜の化石は、その多くが外国の博物館が所蔵している化石の標本の複製標本です。そのような標本をレプリカといいます。このようなレプリカ標本は、所蔵する博物館にある本物の標本から型をとってコピーした模型(キャスト)に色を塗って本物らしくつくった標本です。
このように言うとみなさんの中には、「それじゃあ、にせ物か」と言う人もいるかと思いますが、これらのレプリカ標本は、形や大きさは本物そっくりにつくってあります。もし、本物の化石の骨で恐竜の形を組み立てると、重たくて、頭などささえることができません。また、本物だと壊れてしまったりして、今後研究ができなくなる場合もあります。
また、本物の標本が売買の対象となると、研究者が自由に研究できなくなってしまう場合もあります。したがって、博物館に展示してある大型の標本の多くは、このようなレプリカ標本の場合があります。
また、発掘される骨格化石は頭の先から足の先までそろっている場合は珍しく、そのような場合、他の場所で発見された同じ種類の骨格標本をもとに、足らない部分をレプリカで補って全身骨格が組み立てられることもあります。
これらのレプリカは本物から型をとっているため、形や大きさが同じなので、新しい化石が発見された時など、これらの標本と比較してどんな種類の恐竜かを調べることもできる、本物同様に学術的に重要な標本のひとつです。
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