肉食恐竜と草食恐竜はなぜわかれているのですか?


最終更新日:2002/01/05


 もともと、両生類から爬虫類が分れたとき、または初期の爬虫類は肉食でした。草食恐竜、実は中生代末になって「草」というものが現れたので、草を食べる恐竜はいなかったと思われます。ですから、恐竜は木の葉や枝、または根や幹の皮などを食べていたと思われます。そのため、「草食恐竜」ではなく正しくは「植物食恐竜」ですが、この植物を食べる恐竜は、陸上生活に適応してはじめて現れた動物になります。

 単純に、「それぞれの食の好みが違っていて、好きなものばかり食べていたらそうなった。」などと答えたくなってしまいますが、その理由にはさまざまなものがあると思います。

 植物食恐竜は、もともと肉食だった仲間から進化したのですが、植物を食べるためにもともとの歯を退化させて、かたいくちびるや奥歯のかたちを変えて植物を食べることに適応しています。また、植物を消化するためには、それなりの胃腸が必要で、その点もいろいろと肉食恐竜のそれとはちがっています。

 恐竜とは竜盤類(りゅうばんるい)と鳥盤類(ちょうばんるい)というグループの動物の総称なのですが、鳥盤類には肉食がいません。竜盤類には肉食と竜脚類(りゅうきゃくるい)という植物食の巨大な首の長い恐竜が含まれます。鳥盤類の多くは、とくに白亜紀後期に植物食の恐竜として発展しました。

 このように、恐竜は陸上で生きて栄えた動物で、陸上に生えている植物を餌として食べることができれば、動物を捕まえて食べるよりも、植物はまわりにたくさん生えているので、食べ物には困らないことになります。恐竜の仲間の長い歴史の中で、植物を食べる動物が現れ、それらは、食べるのに困らなかったことから、生き延びることができてだんだんとその仲間が発展していったのではないかと思います。

 とくに、ジュラ紀という地質時代(今から2億1000万年年〜1億4000万年前)はとても暖かい時代で、シダやソテツなどの植物がたくさんあってそれらを食べる恐竜がたくさんいました。つぎの白亜紀にも植物食の恐竜はたくさんいます。植物食の恐竜がたくさん増えたことから、それを食べる巨大な肉食恐竜も飢えることがなくなったので、増えていったと思われます。また、肉食の中には昆虫や魚を食べていたものもあるようで、それぞれの恐竜で食べ物がちがっていたとも考えられています。


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