恐竜の足跡は、多くの恐竜についての骨格だけからでは分からないさまざまなことを教えてくれます。足跡は動物が湿った泥や砂の地面の上を歩いたときにできることから、恐竜の足跡化石はまず、恐竜が陸上を歩いた動物であることを教えてくれます。そして、恐竜がどのような場所に暮らしていたか、さらにどちらに歩いて行ったかなどもわかります。
また、足跡は骨の化石だけではわからない、恐竜の足の裏のようすがわかります。たとえば、ハドロサウルス類(カモノハシ竜)の足跡では、大きく肉づきのよいパッドがそれぞれの三つ指の下についていて、さらに大きなパッドがその指にかくれてかかとをつくっていることも、足跡の化石からわかりました。
少し前までの恐竜を描いた絵では、恐竜は尾をひきずって歩いているようにえがかれていましたか、足跡の化石では尾をひきずった跡がまったく見られないために、最近では恐竜は尾をあげて歩いていたと復元されています。また、足跡からは、恐竜がどれくらいの速さで歩いていたか、または走れたかを計算することも行われています。
いくつかの場所で、竜脚類やハドロサウルス類といった植物食恐竜がしばしば大きな群れで移動したような足跡が見つかっています。一方、肉食恐竜の足跡は、群れをつくらずひとりで行動していたような足跡です。
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