恐竜の卵は、多くの人が思っているほど大きくはありません。卵の化石はアメリカのアラバマ州、モンタナ州、ユタ州や、アルゼンチン、中国、フランス、モンゴル、イタリア、南アフリカなどから発見されています。最大の卵で長さが約30cmで、多くのものが長さや直径が15cm以下で、直径が20cmにもなるダチョウの卵より小さいものです。
恐竜の卵は現在の鳥の卵のように硬くてもろい殻でできています。この殻には卵の内側と外側とでガス交換を行うためのたくさんの気孔という小さな穴がたくさん空いています。卵の中の胚は、殻の気孔を通して外気と呼吸をしています。卵が大きくなると、卵自体も重たくなるため、それを支え殻も厚くしなくてはなりません。
殻が厚くなっても、呼吸のための気孔は増えないために、胚は体積が増えた分の呼吸ができなくなってしまいます。そのため、卵の大きさには制限があり、それほど大きな卵はできません。
恐竜は小さく生まれて、大きく育った動物だったのでしょう。
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