1909年にアメリカのワイオミング州で、カモノハシ竜であるエドモントサウルスの珍しい化石が発見されました。その標本は、現在ニューヨークのアメリカ自然史博物館に展示されていますが、ほとんどが皮ふによって覆われている骨の化石です。この発見以来、ほかの種類のカモノハシ竜にくわえ、獣脚類、竜脚類、ステゴサウルス、アンキロサウルス、角竜類の皮ふ化石が発見されています。
皮ふ化石は多くの場合、表面の印象化石です。動物が死んで、体の下側の皮ふが泥に押しつけられ、皮ふが腐ったあとにその印象が泥につけられ、皮ふの印象化石が残されます。
アメリカのニューメキシコ州から発見された皮ふ化石は、顕微鏡による観察によって表皮と真皮のがあることが明らかとなり、皮ふ自体が化石化したことがわかりました。
ハドロサウルスとティランノサウルスの皮ふの表面には、小さな小石のような構造であり、ゾウやサイのように薄い皮をもつ哺乳類の皮と同じようです。アルゼンチンから発見された大きな獣脚類のカルノタウルスや、モンゴルのサウロロプス、そしてアメリカのアラバマ州から発見されるいろいろな角竜類には、大きな鱗(うろこ)が小さなこぶになってモザイク状に体をとりまいています。
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