地層から出てくる骨や貝殻が過去の生物だということ、すなわち「地層」が過去を記録した堆積物とか、「化石」が過去の生物の証拠とかいう考え方(概念)が、そのころまでなかったということでしょう。
奇妙なものが出てきたら、怪物か悪魔のプレゼントみたいに考えていました。レオナルド・ダ・ビンチが山にある海の貝殻を見て,そこがかつて海だったと言ったと言われていますが、中世ヨーロッパでは科学的な考え方は受け入れられませんでした。有名な話で、オオサンショウウオの化石が「ノアの洪水でおぼれたヒト」と考えられていました。
科学的な考え方が復活するのはルネッサンスや産業革命以降で、「地層」や「化石」のことも炭田や鉱床開発、国土開発によって実践の中から生まれてきました。
18世紀後半から19世紀にかけて、ラマルクやキュヴィエによって化石を現在生きている動物と比較することがはじまり古生物学がはじまりました。とくにキュヴィエは、現在の脊椎動物の骨格をもとにして化石動物を復元する比較解剖学をはじめて行った人です。
そこで、人類はようやく科学的に過去にどのような生物がいたかを知ることができるようになり、過去に生きていた巨大なトカゲ(恐竜)の証拠も捕まえられるようになりました。
それは,今からたった150年か200年前のことです。
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