1870年代の末に、アメリカのふたりの古生物学者が、北アメリカの西部から多くの新しい恐竜を発見し記載しました。しかし、ふたりの古生物学者は恐竜化石の発見と記載で争うような対立関係になってしまいました。
フィラデルフィアのエドワード・ドリンカー・コープ【Edward Drinker Cope】(1840-1897)とエール大学のオーソニェル・チャーレス・マーシュ【Othniel Charles Marsh】(1831-1899)は最初は友人だったのですが、彼らの「化石争奪(かせきそうだつ)」はついにはもっとも有力なアメリカの新聞の第一面にのるほど激しい競いになり、彼らはお互いに憎みあう仲になりました。
彼らふたりとかれらの野外発掘チームの激しい競争が、北アメリカ西部の大規模な化石発掘地でくりひろげられました。それは不幸な科学的な競争でしたが、反面たくさんのよい標本がそれによって収集されました。この競争のおかげで、それまで北アメリカでは9種類しか恐竜が発見されていなかったのが、ふたり合わせて 136種類(マーシュ80種、コープ56種)になりました。彼らの競争のおかげで恐竜の世界のことが飛躍的によくわかってきました。
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