蜃気楼(8月1日)

蜃気楼

蜃気楼  ガゼルが2頭横切る。道はかたく洗濯板のようで、車はガタガタと振動し音をたてる。正午に近く、太陽は暑く照りつけている。

 遠くの山並みが浮いている。地平線と山との間だに、湖でもあるような錯覚を起こす。蜃気楼である。

 前回もこの付近で蜃気楼が見られた。車を止めて、蜃気楼の写真を撮った。遠くを走る車が地平線から幻の湖面を滑っていく。

「Car is swimming!」
 トゥメンバイヤーが言った。ラクダも湖に浮いている。一直線につづく電信柱が地平線から離れ空に向って並んでいる。とても楽しい光景である。

 喉のかわいた今の私たちにとっては、砂漠の旅行者の見る幻のオアシスを容易に想像することができた。


憩いのサービスエリア

井戸での休息  途中、山側に近づくとゲルがあり、子供たちがいる。オボーがあるが、通りすぎる。赤い大地で悪い道になる。赤い大地は上部白亜系である。白い雲が点々と浮かぶ青空(Mongolian blue sky)がひろがる。

 ゲルがあり、井戸があるので給水のため車が止まった。井戸のわきには小さな女の子とその若いお母さん、それと一頭のヤギがいた。

 冷たくておいしい水を乾いた喉に流し込み、頭に水をかぶる。快感。ようやく冷たくて塩っぱくない水にありつけた。

 小田さんが女の子をポラロイドで撮ってあげると、お母さんがゲルからウルム(クリーム)とアールー(乾燥ヨーグルト)を私たちのために持ってきてくれた。ここは、憩いのサービスエリアだ。


「モンゴルの自然」へ

「草原の国再び」へ