マンダルゴビ 

 花崗岩の丘や湖のあるところを通り、西側に平原盆地を見ながら、南東方向に進む。二つの集落を過ぎて、平原盆地に下ると、大地に大きな穴があいていた。亜炭の露天堀りである。

 ここはテブシン・ゴビ炭坑といい、白亜紀の亜炭を掘り出しているという。前年にゴビで訪れた古生代末の石炭の露天掘りと比べると規模が小さく、石炭の質も悪い。ここは、マンダルゴビまで25キロと近いために、ニーズがあるのだろう。平原盆地の地下には中生代後期の地層がたまっていて、その中にはこのような亜炭も含まれる。平原盆地を埋める白亜紀前期の緑色粘土岩層からなるシノホト層にはしばしば石油も含まれている。

 平原盆地の大きな道に出て、湖の横を快走した。馬が逃げ、鷲が空を飛ぶ。草原の地、ミドルゴビである。

 車は岩場にかかり、石英のめだつ赤い花崗岩の大地に、黄緑色の薄いカバーをしたような草原を進む。ザクというみどりの低木が斑点状にそのカバーに模様をつけている。

 馬がいる井戸があるが、水の補給はしない。電波塔が見える。人も歩いている。オボーがあり、マンダルゴビの町が見えた。ミドルゴビの大地を下り、町に向かう。

 町では、まずガソリンスタンドで給油する。前年の旅では、ガソリンが不足していて、ゴビでのガソリン補給には苦労したが、今回の旅ではそれほど問題はないようだ。

オトゴンさんの実家 オトゴンさんはここの町の出身で、家族もこの町に住んでいるので、オトゴンさんの荷物をとりに実家に行った。町の中を通り、レンガでできた三階建てのアパートの前で車が止まった。オトゴンさんとトゥメンバイヤーがアパートに入っていって、私たちは車に残った。アパートの前では、子供たちが遊んでいた。

 オトゴンさんが戻ってくるまで意外と時間がかかった。井上くんは、車から降りて、遊んでいる子供たちに紙飛行機を折ってあげたり、そのうち紙飛行機の折り方を子供たちに身振り手振りで、教えはじめた。さすが子供好きの彼は、モンゴルでも学童保育をはじめた。子供たちが集まってきて、紙飛行機をつくって、飛ばして遊んだ。

 オトゴンさんのお母さんが昼食に羊を用意しているので、寄っていって下さいと言う。私たちは今日中に南ゴビまで行かなくてはならないために時間がないので、お断りする。オトゴンさんのお父さんは、マンダルゴビ(中央ゴビ)県の農業公社に勤めているそうで、教養のありそうな紳士だった。彼は、久しぶりに再会した娘に別れのキスをした。
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